第6回おかやま介護グランプリ2021

岡山県内の介護職員と介護を学ぶ学生が介護技術を披露する「おかやま介護グランプリ」が開催されました。第6回となる今年は、コロナ禍ということもあり開催方法を変更し、動画応募による予選が行われました。予選には11チームの応募があり、審査員による審査で選ばれた上位チームが会場で新たな課題の実技を披露し、優勝・準優勝・敢闘賞が決定しました。
日々の自己研鑽で身につけられた介護技術をぜひご覧ください。

開催概要

目的

このグランプリは、現場での介護技術を広く公開することで、介護の仕事への理解促進を図ることを目的に開催いたします。参加した選手・ご来場頂いた皆様とともに介護とは何かを考え介護を支える土壌を育み、また、参加者の自己研鑽や理解を高めること、チームで出場することで介護職同士の連帯感を高めることを目的としています。

主催

一般社団法人岡山県介護福祉士会(岡山県補助事業)

後援

岡山県・岡山市・山陽新聞社・読売新聞岡山支局・朝日新聞岡山総局・毎日新聞岡山支局・中国新聞備後本社・NHK岡山放送局・RSK山陽放送・KSB瀬戸内海放送・RNC西日本送・OHK岡山放送・TSCテレビせとうち・岡山県介護保険関連団体協議会・岡山県社会福祉法人経営者協議会・ハートフルビジネスおかやま・岡山市社会福祉協議会(順不同)

大会実行委員長挨拶

第6回おかやま介護グランプリ2021の開催にあたって

第6回おかやま介護グランプリ2021が無事開催できましたこと、大変嬉しく思っております。
今年度は、コロナ禍において新たな方法を模索し、動画による予選を行いました。予選審査の結果、優秀なチームに本選出場をしていただき、再び審査する方法を取りました。
今回応募いただいたチームは11チームでしたが、どのチームも素晴らしい介護技術を見せていただき、介護の深みや魅力について再発見できたような気がいたしました。
皆様、ありがとうございました。

大会実行委員長 齋藤七七重

本選課題

課題

田中かおるさん(80歳、女性)は、脳出血による右上下肢不全麻痺があります。自室内では、ゆっくり移動することができますが、足を引きずっており、歩行介助が必要です。食堂までは少し距離があるので、車椅子を使用しています。
只今、昼食が終わり、食堂の椅子に座っています。自室に戻り、歯磨きを行ってください。午後から入浴の時間になりますが、本人は、「お風呂に入りたくない。」と首を横に振っています。何度か入浴を勧めてみますが、本人が頭を押さえてしんどそうにしていたので、入浴はやめて、更衣のみすることになりました。更衣の前に、ポータブルトイレで排泄を済ませてから、体調を考慮し、更衣介助をしてください。その後、体調を確認(体温測定と手首で脈拍を計測)し、ベッドで安静に休んでもらってください。

  • 更衣は、下着をのぞく上下の服のみ行います。
  • 更衣介助は、どのタイミングで行っても良い。

アセスメント

  • 右上下肢不全麻痺
  • 軽度の認知傾向がみられており、その時の気分で、拒否をすることがある。
  • 入浴は嫌いである。
  • 自室内は、ゆっくり歩行できるが、足を引きずっている。
  • 杖を使用しても良い。
  • 歯磨きは、自分で磨くことができるが、確認が必要である。
  • 排泄時は、紙パンツとパット使用。
  • 失語症があり、「はい」または「うなずく」のみである。

大会総評

コロナ禍で応募及び出場を決意されたチーム皆様に敬意を表したいと思います。
本グランプリも第6回目を迎えましたが、今回は従来とは異なる予選形式となり、更に本選の形式変更という事態も生じる状況の中にもかかわらず、3チーム共に健闘し、接戦でありました。

  • チーム 岡山県立倉敷中央高等学校
    3人の絶妙なチームワークにより、課題内容に対して的確に、手順良く実施できていました。
  • チーム 岡山後楽館高校
    尊厳を大切にした関わりを意識した内容であり、配慮の行き届いた心温まる実技でした。
  • チーム たちばな苑 済生会ライフケアセンター
    安心感のある声掛け、環境作りへの配慮など実践を積まれた上での安定した実技でした。

審査委員長 須江裕子

受賞チーム演技の見どころ

各チームの3人の役割、細かい気配り、声掛けによる自立支援への導き方、介護のエビデンスを見てもらえたらと思います。何より、グランプリを頑張っている姿を見ていただきたいと思います。

審査員 冲中純子

第6回おかやま介護グランプリ2021 結果発表

優勝 チーム岡山県立倉敷中央高等学校

チームコメント

初めて参加して不安もあったけれど、学ぶことがたくさんあり勉強になりました。自分で覚えた介護を色々な人に見てもらえて良かったです。実習もあって練習時間が確保できなかったけれど、頑張りました。
「尊厳を守ることの大切さがわかったので、今後も利用者主体の介護をしていきたいです。」
「今回たくさんのことを学ぶことができ、将来施設で働くことになったら、安全面とプライバシーに配慮した介護ができるようになりたいです。」
「介護を通してその人らしい生活ができるようにしていきたいです。」

準優勝 チーム岡山後楽館高校

チームコメント

すごく緊張しましたが、自分たちらしい競技ができて良かったです。
コロナの影響で実習に行けず、教科書の知識で想像しつつ先生や仲間たちと一緒に考えました。練習の成果を出すことができて良かったです。

敢闘賞 チームたちばな苑 済生会ライフケアセンター

チームコメント

グランプリを獲れず悔しく思います。優勝目指して次回も参加したいです。
初めて参加し、会場の独特な雰囲気を感じました。練習では競技時間内で演技を収められていたのに、本番では時間切れで仲間に十分な出番を繋げられなかった。最後まで演技をし、私たちのケアを見ていただきたかったです。
日頃の仕事でも丁寧なケアを心がけていますが、色々なことに気づかされる貴重な経験になりました。

デモンストレーション

来場者アンケートより

  • 今回出場したチームの方々、本当に頑張っておられたと思います。声かけや一つ一つの動作が丁寧で、とても参考になりました。デモンストレーションでも参考になることがたくさんありました。
  • 介護をするにあたっての知識が必要とされる課題でした。
  • 10分という短い時間の中で全てを終了させないといけないのでとても難しそうに感じました。利用者への配慮が大事なことが分かりました。
  • 全ての項目が入っていて見やすかったです。一つの課題に対して色々な見方ができたので良かったです。
  • 色々と組み込まれた内容で、介護のポイントが多く、「(そういうものだと思いますが)時間内では難しいだろうな」という印象でした。
  • 課題内容が複雑で難しかったように思います。10分では厳しい。
  • デモンストレーションはもちろんのこと、現場の皆様や他校の実技も拝見でき、学生たちも大変勉強になったと思います。
  • 興味深かったです。介助に正しい正解というのはないのかもしれませんが、色々な介助の方法があり、勉強になりました。今後に活かせていけたらいいなと思います。

「第6回おかやま介護グランプリ2021」への
ご応募、ご来場ありがとうございました。
次回もたくさんのご応募、ご来場をお待ちしております。

本グランプリのダイジェスト版